COLUMNコラム
フロアコーティングは”キズに強い”は本当?誤解されやすいポイントを正しく解説

「キズに強い」と言われるフロアコーティング。その仕組みと正しい理解について解説します。
フロアコーティングを検討していると、「キズに強い」「傷がつきにくい」という言葉をよく目にします。しかし実際には
- どこまで本当にキズに強くなるのか?
- どんな傷なら防げるのか?
- 逆に、防げない傷はあるのか?
このあたりを正確に理解している人は少なく、誤解されたまま申し込んでしまうケースも少なくありません。この記事では、“キズに強くなる”という表現の本当の意味を、誤解なく・中立的に、わかりやすく解説します。
そもそも「キズに強い」とはどういう意味?

「キズに強い」という言葉は、”傷が絶対につかない”という意味ではありません。《フローリングの表面に保護膜ができ、床材そのものに傷が入りにくくなる》という機能です。つまり、”コーティングが傷を受け止めてくれる”というイメージに近いです。
フロアコーティングで防げる傷・防げない傷

①防げる傷(軽度なもの)
コーティングの塗膜は硬度が高く、日常生活の「軽度な傷」を防ぐのが得意です。具体的には
- おもちゃが転がってつく細かい擦れ
- スリッパで歩くときにできる摩擦
- ペットの爪で表面に入る薄い線傷
- 荷物を置いたときの軽いスレ跡
- 皮脂や汚れによるテカリの進行防止
これらは床材に直接ダメージを与えずに済むため、長期間、見た目をきれいに保ちやすくなります。
②防げない傷(強い力・尖ったものによるもの)
コーティングには限界があります。次のような傷は防げません。
- 椅子や家具を強く引きずったときの深い傷
- 先の尖ったものを落とした場合
- キャスター付きチェアの長期使用による削れ
- 金属製の脚での圧力傷
- 石や砂が挟まった状態で歩いたときの深い線傷
これらはコーティングの膜を超えて床材に到達するため、「絶対に傷がつかない」わけではないことを理解する必要があります。
住まいでキズがつきやすい理由

ほとんどの住まいでは、家族の動きが集中しやすい生活動線が固定されがちという特徴があります。
・玄関からリビングまでのルートを家族が毎日同じように通る
・家具の配置が変えにくい間取りが多い
・床の色味や素材によって、細かい傷が意外と目立ちやすい
・子育て世帯・ペット世帯が多く、床に負担がかかりやすい
こうした要因により、一部の場所に摩擦が集中しやすく、擦れや軽い線傷が早めに出やすいのが特徴です。そのため、コーティングをしていない場合、よく歩く場所からテカリ(摩耗光)が出始めたり、細かいスリ傷が段々と目立つようになることがあります。
コーティングで”傷がつきにくくなる”理由

①床材より硬い保護膜が表面にできる
コーティングの塗膜は床材よりも硬度が高いため、床材に到達する前に傷を受け止めます。
②摩擦が分散しやすくなる
床材の木目の凸凹や表面の柔らかさではなく、均一な塗膜が歩行時の摩擦を分散します。これにより、局所的な傷が入りにくくなります。
③汚れが入り込まないため、擦れ傷が目立ちにくい
汚れが床の溝に残らなくなるため、見た目が綺麗な状態が長持ちします。
「傷が絶対につかない」は間違い|正しい期待値が大切

フロアコーティングは”傷を減らすためのもの”であって、”無傷を保証するもの”ではありません。しかし、生活動線での摩擦や、細かい傷、黒ずみの進行など、これらは大きく軽減してくれるため
- 床の寿命を延ばす
- 見た目がきれいに保てる
- 汚れが落としやすくなる
といったメリットがあります。”誤解されがちな期待値”を正しく理解することで、施工後の満足度が格段に上がります。
傷を防ぐために併用すると良い対策
①家具の脚にフェルトを貼る
②キャスター付きチェアの下はマットを敷く
③玄関の砂対策
④椅子の引きずりは避ける
まとめ|”正しい理解”が後悔しないフロアコーティング選びにつながる

フロアコーティングの「キズに強い」という表現は、床材そのものに傷が入りにくくなる保護機能がある という意味です。
- 軽度の擦れ傷
- 日常的な摩擦
- ペットの爪の引っかき傷
これらをしっかり軽減できる一方、尖った物や強い力による深い傷は防ぐことができません。関西の住まいは動線が集中的で摩耗しやすい傾向があるため、誤解なく理解しておくことが大切です。
A,techでは、生活動線の分析や床材の状態を確認し、過剰な期待を持たせずに”正しい説明”を行うことを大切にしています。傷への不安がある方は、相談だけでもお気軽にどうぞ!